STEAM教育EXPOに行ってきました!

■第1回STEAM教育EXPOに参加してきました。去年まで教育ITソリューションEXPOの中でSTEAM教育(Science/Technology/Education/Art/Mathematics)のコーナーがあったのですが、それが独立した形です。少し前はSTEM(ステム)教育と呼んでいましたが、Artが追加されて最近はSTEAM(スティーム)教育という名称が一般的になっているようです。毎年5月に東京ビッグサイトで開催されていましたがコロナの影響もあり、今年は9/16-18の期間で幕張メッセでの開催となりました。■幕張メッセは新人の頃に展示会に行ったことがあるきりでほぼ30年ぶりです。JR京葉線でTDLを見ながら海浜幕張で降りて500mほど歩くと到着しますが、やはり遠いですね。早くビッグサイトが普通に使えるようになってほしいです。■弊社のCube-DとCube-D PGはSTEAM教育教材の一つなので、この展示会は毎年ウォッチしてきました。デジタルキューブ設立前にアットマーク社の名前で出展したことがあります(一番小さいブースで助成金も使ってようやく)。いつもは通路を埋め尽くすような来場客なのですが、今年はコロナの影響で例年の半分程度(それ以下かも)の人出でした。また昨年は海外(主に中国)企業の出展が多かったのですが今年はほぼ国内の企業だけで出展数もかなり少なく寂しい印象でした。■気になった展示物をいくつか紹介します。※下記の写真は了承をいただいて撮影してあります。

KUMIITA(クミータ) 株式会社ICON

並べたパネルに応じてその上を移動するロボットの動きが変ります。動物の絵のパネルを通過するとその動物の鳴き声が鳴ります。4方向の矢印のパネルは、直前に通過したパネルの色に応じでどちらに進むかが変ります。パネルの色に応じて車体も同じ色に発光します。パネル種類の識別はロボット裏面の磁気センサを使っているとのことでした。価格は82,500円と高価ですが、予備知識がなくてもすぐに理解できるので、プログラミングの入門教材として保育園や小学校に納品しているそうです。ちなみに、Cube-D PGの特許出願時には、ICON社のこのロボットの特許を従来例として使いました。

Matatalab(マタタラボ) くもん出版

 こちらもパネルで移動ロボットの動きをプログラムする教材です。パネルを並べて手元のボタンを押すとカメラ(円筒)で画像認識して無線(Bluetooth)でロボットに送り、ロボットが動きだします。各パネルには1つだけパラメータ(ループ回数や回転角度など)が指定できる点はCube-D PGと同じです。移動ロボットの上のカバーを外する中央にペンが装着でき、移動した軌跡が描けます。パネルによるプログラミングでは分岐はできないですがまたiPADでスクラッチによるプログラミングでは可能とのことでした。セット価格は34,800円。この教材はハードもよくできていますが、さすがにKUMONだけあってマニュアルが充実しています。特に教師用の説明書が少しやりすぎというくらい細かくできていて、その通りに行うと授業ができてしまうものでした。小学校の先生にとっては、今主流のレゴマインドストームを使ったプログラミング教育よりも、この商品とその学習コンテンツの方が人気が出そうに感じました。

ユカイな生き物ロボットキット ユカイ工学株式会社

正転逆転ができるスイッチ機構2系統とモータ2つのセットで、結束バンドやストローなどで動くおもちゃを作るというものです。価格は2,700円。このスイッチ部分をココロキット(3,600円)という基板に置換えると、iPAD上のスクラッチで作ったプログラム通りにモータを動かすことができます。基板上にはCPUは搭載しておらず、BLEモジュール(写真基板の中央下の正方形部分)上のARMマイコンを使っているそうです。この会社はしっぽだけのロボット(Qoobo)など面白い製品を作っているので興味を持っています。

Leafony(リーフォニー) トリリオンノード研究会

 特殊コネクタを実装したコインサイズの小型基板を積層(水平方向の可)することで所望のシステムを簡単に構築できるものです。小型基板には、各種センサ、CPU、電源、LCD、無線などがあり、ちょっとした実験システムがすぐに組みあがるものです。展示中のキュービックは、傾きおよび温度等の情報をスマホにBLEで飛ばして表示していました。弊社電子ブロックのCube-Dと少し似ています。説明していただいた方はCube-Dを展示会で見たことがあるとのことで話がはずみました!

 その他、株式会社ダイセン電子工業さんのロボットカーは納品実績3万台で盛況のようです。ロボット等のハードウェアは自社では作らず学習コンテンツを売りにする学習教室も多く出展していました。主にLEGOのマインドストームとmicrobitsを使っているようですが、その教室の生徒さんが作ったシステムが秀逸でした。やはりLEGOは高価ですが、メカニカルな部分が簡単に作れる点が指示される理由の一つだと思いました。学研さん+アーテックさんは、いつものように中央に数ブースぶち抜けで展示されていました。ここが一番儲かっているのでしょうね。

 今年の展示会では、各社ハードだけでなくソフト、つまりどうやって使うか、どうやると効果的に教えられるかといったコンテンツ作りに力を注いでいることを肌で感じました。今年から始まった小学校のプログラミング教育では現場の先生に、フレンドリーな商品だけが生き残っていくのでしょう。来年は無理ですが再来年にはもう一度この展示会に出展したいものです。