最初は快適だった愛用のノートPC(CPU:Intel Core i7 メモリ4G HDD:500G 5400rpm)も、6年間の使用で見る影もなく特に電源投入後とアプリ起動時に長い時間待たされるようになりました。先日Android Studio(アンドロイド端末のアプリ開発環境)をインストールしたのですが、起動後の動きが遅く使い物になりません。そこで、PCが遅くなる原因を調べてみました。
まずWindows起動直後に、タスクマネージャー(Ctl+Alt+Del→リストから選択)を起動してパフォーマンスを見ると、CPUの負荷は20%程度ですが、ディスクアクセスが100%の状態がずっと続いていて4GBあるメモリも6割以上の使用率になっていることがわかりました。
続いて、HDDの性能をもう少し詳しく確認するためにCrystalDiskMarkというフリーのベンチマークソフトをインストールして測定してみました。結果は下の通り。
読み出し、書込みそれぞれに対して条件(連続/ランダム、キュー数、スレッド数)が異なる4つのアクセスを行い1秒毎の転送速度を計測します。連続領域のR/Wは80~90MB/s出ていますが小間切れのランダムアクセスは100分の1程度の性能になってしまうことが分かります。質量のあるヘッドをメカ的に動かすHDDの宿命ですね。
以上の結果から、ノートPCの動作が遅くなっている主原因はHDDのアクセス速度がボトルネックになっていることが分かりました。対策としてSSD(Solid State Drive:半導体メモリで構成したドライブ装置)への置き換え(換装)です。メモリ価格は年々下がってきていて、5年前は256GBで1万4千円くらいでしたが現在4~5千円ほどで購入できるようです。市場調査会社の発表では2019年末で1GBあたり10円台にまで下がるとの予想でした。
現在のHDDの使用率は3割弱の120GB程度です。すでに6年もPCを使い続けている点と、現在のSSD価格を考慮して、240GBのSSD購入を決めました。
左が購入したSSDドライブ(4,000円)で、2.5インチSATAのHDD(右)と置き換えができます。"HDD" "SSD" "換装" この3つのキーワードで検索すると詳細な手順を記載したブログが多数ヒットしますのでそちらを参照ください。基本的にはSSDを外付けドライブとして認識させ、HDDの中身(OSも含めたクローン)をSSDにコピーするというものです。クローンソフトもフリー版で十分です。筆者の場合、SSDと一緒に購入したSATA-USB変換ケーブルをUSB3.0ポートに接続して2時間半ほどでクローン化が終わり、PCからHDDを取り外して、空いたスペースにSSDを装着して完了です。
そして電源ON。何も問題なくすぐにWindowsが起動。やはり早い!。ログイン画面が表示されるまでの時間を比べたところ17倍速くなりました。
ストレージ | 起動時間(秒) |
HDD |
278 |
SSD |
16 |
タスクマネージャーでパフォーマンスを見てみます。以前(HDD)は、Windows起動直後にHDDのアクセス100%状態がしばらく続いていましたが、換装後はすぐにアクセスが0%台。メモリを増設したこともあり快適です。Excelやパワポもさくさくと立ち上がりました。
HDDと同じベンチマークソフトの計測結果は上の通りです。
連続アクセスは約5倍、ランダムアクセスはなんと100倍の転送速度になりました。やはり、メカ部分がない半導体のドライブはこんなに高速なんですね。Android Studioが使えることも確認できました。
これまで、PC応答が遅くイライラしていたのが5千円程度の投資で解決できたことに驚いています(安売りのデスクトップPCでも5万円程度はかかります)。さらにノートPC全体の重量が軽くなり、消費電力も減っているものと思われます。是非皆さんも、SSD換装で快適なPC環境を構築してみてはいかがでしょうか? おすすめです。